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2007年12月

高齢期運動リポート№55号の②

2007年12月29日(土)

高齢期運動リポート復刊。№55号、続きを掲載します。

 後期高齢者医療制度の運営と保険料をめぐって

Ⅰ 実施にむけての準備は進む

 後期高齢者医療制度の08年4月スタートを前に、その内容のひどさが、日を追って明らかになり、「中止」や「凍結」を求める声は着実にひろがっています。市区町村議会での政府に「中止」を求める決議も一定の広がりを見せています。

 しかし、制度の運営を担う都道府県ごとに組織された「広域連合」では、07年11月には議会を開き、保険料率を制定しています。

 問題はこのあとの課題です。保険料徴収業務を担う市区町村では、被保険者の特定と名簿の作成業務をすすめています。わたしたち仲間うちの論議では、「中止」は削り易く、威勢もいい。しかし、もし「中止」が実現しないときは、政府の提案通り具体化してしまうのではないのか。内容の改善にむけての運動へもっと力を注ぐ必要があるのでは、という意見もだされています。また、改善にむけての運動が「中止」の実現につながるのではないか、そんな思いを語る人も増えています。やはり、当面する課題を正面に据えた取り組みの強化が必要のようです。当面の課題は保険料をめぐる問題です。

2 保険料は決まりました

 07年8月に厚生労働省が開催した、「広域連合」の事務局長等をあつめた会議では、保険料率の特定と算出にかかわる作業日程について指示しております。「広域連合」も、この日程に基づき作業をすすめています。

 いま、はっきりしていることは、07年11月の連合の議会で保険料率が確定します。07年9月に議会を開き保険料率の案を提起したところと、7月に開催したままでなにも提案していないところがあります。いずれも11月に決定します。案を提示されていないところでは、ろくに議論もせず、9月に案を示されたところでも住民の側の取り組みがない場合、ほとんど議論をしていません。いずれにしても被保険者への情報の提供は皆無に近い状況のもとで、保険料率だけは決定します。被保険者不在の運営です。今後のために、強く抗議する必要があります。

3 市町村は被保険者を特定し天引きへ

 市町村では、現在被保険者の特定作業をいそいでいます。保険料率がきまると、一斉にそれまでに整えた被保険者の名簿に基づき、一人一人の保険料の額を算出することになっています。被保険者の名簿が整備され、被保険者ごとの保険料の額が記入されると、被保険者に知らされることなく、その名簿は年金の保険者に提出されます。厚生労働省の指示では、07年12月10日までに提出することになっています。実務体制(コンピューターのソフト作成の遅れなど)の整備が遅れ、この予定は08年1月にずれこみそうです。今回の医療制度の保険料は、年額18万円以上の年金受給者の保険料は、各自の年金から天引きされます。月額1・5万円以下の低年金者と、高齢女性に多いといわれる無年金者は、自分で自治体の指示に従い保険料を振り込むことになります。

 被保険者が黙っていると、保険料徴収実務担当者としての市区町村は、被保険者に保険料の額を知らせることなく、天引きの手続きを済ませてしまいます。おそらくこの時点では、提供される医療の内容について、被保険者への説明も情報の開示もないでしょう。

4 市町村議会は徴収条例の制定

 先にもふれましたが、市町村の主な仕事は保険村の徴収です。それに相談や苦情などの受付窓口業務があります。従って市町村の議会との関係でいえは、08年2月に開催される定例議会に、保険料の徴収にかかわる条例を提出することになっています。場合によっては、議会前の議員全員協議会で了解を取り付け、議会では形式的な確認だけをする、議論は一切しない。こんなこともいわれています。

 これまで後期医療の問題で市町村との交渉をおこなったところでは、制度の骨組みは政府がきめ、運営は都道府県の担当です。市区町村にはなにも説明もないし、かかわる業務も限定されています。市民や被保険者からの質問に応えようにもできません。判で押したように内容のない断りだけがなされています。その市町村の手で被保険者ごとに保険料の額が計算され、確定され、しかも年金からの天引き手続きが完了してしまうのです。介護保険で経験済みとはいえ、被保険者をないがしろにしたこのように政府・自治体のふるまいを放置していいのだろうか。

5 運営はできるだけ形式的に

 「広域連合」の運営についても、できるだけ形だけの運営に徹する。そんな作為を強く感じます。ある東海地方の県での話です。県内の半分の市町村からしか議員をだせない。議員の数を限定しているからです。議員は市長、市議会議長など「偉い人」が大半です。議会は県内最高のホテルで開催。議員の多くは秘書やお付きの補佐官を引き連れ、黒塗りの車で来場する。豪華な会場に結婚式まがいの机が並ぶ。傍聴席はその片隅に椅子だけが10程並べられているだけ。洋服の皺が気になる。クツの汚れに身がすくむ。傍聴席はそのような被保険者になるべき老人や運動団体関係者が、行儀よく着席しています。質疑も簡単。時間も短く、すべて効率的運営に徹する。

 これほど形骸化した「議会」を見たことはありません。被保険者からできるだけ「遠い」ところで、形式的な運営に徹する。そんな政府の想いを強く感じます。自治体と同じ仕組みだから、請願も傍聴もしっかりやるべし。いうはたやすく、実行は勇気が要る。そんな「広域連合」に対しても怒りすら覚えます。これまでの議会運営について点検し、改善点を整理し、提示していく運動も必要です。

6 実務の遅れ、被保険者は蚊帳の外

 最大の問題は実務の遅れです。保険料徴収業務にしてもこれに関するコンピューターのソフトが07年11月初旬には自治体に届けられていません。11月に料率が決定する。それから個人の保険料の額の計算をする。年末年始をはさんで2月初旬までにそれを完了させることは至難の業です。実務の遅れを理由に被保険者への説明は更に省略されていくかもしれません。この実態をきちんと質すための市区町村交渉を早急にもつべきです。保険料の確定が08年にずれこめば、私たちは保険料が差し引かれたことでその額を知る。そんな状況に見舞われるかもしれません。

 なんらかの形で保険料を被保険者に少しでも早く知らせる。場合によっては私の保険料はいくらですか。みんなして聞きにいく。市区町村はそれに誠実にこたえる。そんな要請行動も展開する必要があります。08年にも地方税や介護保険料が引き上げられます。受診時一部負担も2割ないし3割になる。それらとあわせて税と保険料と一部負担がいくらになるのか。一人人一人がそれだけの負担に耐えうるのか。市区町村の首長ともども議論する必要もあります。

 市区町村の議会として、市民の負担増をこれ以上ふやさないための措置を「広域連合」にもとめる。市区町村議会として、首長として、独自の経減制度を設ける措置も要請する。

 特に、今回はじめて市区町村ごとに年金月額1万5千円以下の住民と、無年金者の実態が明らかになる。75歳をすぎて稼働収入のある人は皆無に近い。ごく少数の人が資産からの収入を得ている以外は、無年金・低年金での生活を余儀なくされているのですから、これらの人から保険料の徴収をしない工夫をさせる。国にも要請してもらう。資産のない無・低年金者の保険料免除、受診の際の一部負担も免除。数が限定されているのですから、予算の額も特定しやすい。ここに絞り込んだ減免制度の制定も検討してもらう。

 おそらくここまで絞り込めば、予算の額にしたら市区町村の負担に耐えられない額ではないはずです。これからは、地道で粘り強い自治体、国への要請行動の持続的展開が必要です。

 中止を実現させるためにも、具体的な問題点を提示し、改善させる運動が必要です。

     (医療部会機関誌『com com』07年11月号掲載に若干加筆しました。)

   新年早々に市町村交渉の開始を

   市町村は市民への情報公開を

1、私と私の家族の保険料はいくらですか

 保険料率が都道府県ごとに決まっています。ということは、市町村の窓口で、被保険者一人一人の保険料の額を掲載して説明できるということです。

 75歳以上の被保険者が自分の保険料の額を質問しましょう。

 75歳以上の家族がいる場合、家族の保険料を代理として危機に行きましょう。

 一人一人の保険料の額をはっきりさせ、一人一人がその重さを実感しましょう。

 その実感を闘いの新たなエネルギーに転換させ、大きな運動に発展させましょう。

 各地の組織は、まとまって市中村を訪問する運動を呼びかけ、保険料を聞きに行こう運動で、世論喚起にとり組みましょう。

2、無年金者、1.5万円以下の低年金者数を公表させましょう

 無年金者や月額1.5万円以下の年金しか支給されていない人からも保険料をとるのですか。その是非を訴えましょう。

3、08年の介護・国保の保険料の引き上げ額も公表させましょう

 08年度も介護保険料、国保保険料の引き上げが実施されます。その内容は決まっています。いまから情報を開示させ、毎年あがる保険料についても、その是非を世論に訴えましょう。

4、70~74歳の3割負担者の数の公表も

 高齢期医療の改悪で、現役並みの所得のある人からは、受信時3割負担がすでに実施されています。その数と現役並みの収入とはいくらかを、広く市民に公開させましょう。

 年金も含めて230万円を超えると3割負担になります。正確な数字を調べて公開させましょう。

 その額が、08年4月以後、75歳以上の後期高齢者医療にも適用されます。

 ◎中止が実現しても改悪される内容に注目しよう!

  後期高齢者医療と入院問題

1 具体的な行動が必要です

 後期高齢者医療保険制度(以下「後期医療制度」)は、08年4月にはスタートします。生活習慣病対策とこの「後期医療制度」が、今回の医療制度構造改革の2大柱です。いま、その具体化のため準備が地方自治体ですすめられています。この法案は06年6月に国会で成立しています。それまではそれなりに改善のための運動が展開されていました。国の制度だからできてしまったのでしようがないというのだろう。消えた年金問題、定率減税の廃止に伴う保険料・諸税の値上げなど多くの課題に追いまくられているせいか、ほとんど改善のための取り組みがみられません。消えた年金や諸税の引き上げ以上の大きな問題が含まれており、自治体への要請行動も重要な内容を含んでいます。

 最近になって、後期高齢者医療制度の「中止」をもとめる世論が高まりつつあります。署名活動もひろがり、200を越える地方自治体で見直しや凍結の意見書採択もしています。

 しかし、「中止」を実現させていくためには、この制度の問題点を浮き彫りにさせていかねばなりません。そのための具体的な運動の展開が必要です。

2 高齢者医療が半分の薄さになる

 厚労省は、75歳以上の社会保障給付費、2006年度11兆6千億円を、数年先には5兆円削減する。そのために「後期医療制度」を創設するとしています。厚労省の計画がすんなりすすめられれば、75歳以上の医療の内容は、現行の半分の薄さにおとしめられると考えるのが自然です。今回の社会保険給付費の削減は過去に例をみない過酷なものとなります。

 その中心は入院の大幅な削減です。とにかく23万床の高齢者が入院できる病床の切り捨てです。そのための理由づけも熱心に展開しています。その一つに中医協の「慢性期入院医療実態調査」(平成17年11月11日)があります。その結果の一つに「医師による指示の見直しや管理の必要な頻度」という資料があります。それによると医療療養病棟で、医師等の24時間体制が必要な病状での入院は全体の1.5%(1.1%)、1日数回が0.2%(0.3%)、毎日が3.4%(3.7%)、週2~3回程度が9.2%、(7.2%)、ほとんど必要なしが33.9%(32.9%)、無回答が48.9%(50.1%)。(カッコ内の%は介護療養病棟の数字です。)

 報告は、「これらの療養病床への入院患者は、患者の状態が安定しているため、医師の指示による見直しが頻繁に必要でない」と説明しています。どのような基準で「医師の見直しの必要度」を調査したかは説明されていません。しかし、この結果からいえることは、大多数の高齢者は入院を必要としないというこことになるようです。

3 入院が厳しくなる

 そこで思い起こさねばならないのが、06年7月から実施されている入院必要度測定のための、医療区分表の内容です。高齢者の入院に際して医療機関が入院の必要度を自己判定をするための区分表です。必要度1ですと入院医学管理料が1日当たり約4500円値引きされます。必要度1はこれからのち入院させられない病状だということになります。

 喀痰吸引が1日7回までは必要度1。経菅栄養だけだと1、それに発熱か嘔吐が伴わない限り2にはなれない。このような重い症状でも入院にはおよばない。しかもこの1が現在の入院患者の50%強になると厚労省は指摘しています。先にあげた調査の結果ともほぼ重なります。都心部でも高齢者むけの病床閉鎖がはじまっています。

 23万床の削減は、このような厳しい基準によって必要度を低め、診療報酬をカットすることで、医療機関をして病床閉鎖においやることで実現する。計算しつくされた冷酷さだけがめだつ、心ない仕打ちです。こうでもしない限り5兆円もの医療費の切り捨てはできないのでしょう。

4 報道件数は増えているが新の姿は報道されない

 07年7月初旬・NHKテレビ「クローズアップ現代」が介護施設の問題をとり上げました。施設入所者に症状の重いものがふえている。そのため介護者も入所者も厳しい状況下にあるとして、喀痰吸引をうける高齢者を映し出しました。あの高齢者も喀痰の吸引が1日7回以下なので介護施設にいる。みている人には福祉行政の理不尽さは伝わりますが、制度の変更や療養病床削減策にはふれていませんから、なぜそうなるかは理解できません。

 07年7月9日の「朝日新聞」夕刊(東京版)では、療養病床削減策として、病床の老人保健施設への転換を促進するために、介護報酬の改定をはやめ、新型老健施設の優遇策を打ち出すことを大きく報道しています。そこでも「患者の半数は、医療サービスの必要性が高くない『社会的入院』とされる」と政府説明を鵜呑みにした上で、病床削減が進まないので「終末期の看取り医療や夜間看護など従来型にくらべて医療的ケアを充実させた『新型老健』を介護報酬で評価して手厚くする」と説明しています。

 最近のマスコミは、医療や介護の現場の矛盾は無視できなくなっている。だから報道する。しかし、矛盾の根源にふれることはなく、結果として政府の宣伝に一役買う結果になる。私たちの運動で世論を喚起せねば、事態の改善は望みようもない。後期高齢者医療制度や介護保険改善の闘いは、いま、最大で緊急の課題であることを忘れないで欲しい。

5 市町村では病床削減が進んでいる

 07年4月17日の厚労省主催の都道府県担当者を集めた第2回医療制度構造改革の説明会で、市区町村・都道府県が、23万床の削減を各市町村では幾つ分担せねばならないかについて割り出すための計算式を提示しています。

 これからはじまる療養病床の削減についての正確な情報は住民にも高齢者にもとどいていないとみるべきです。ですから23万床削減を指摘しても切実さをもって受け止められないでいます。市町村で削減数を試算することになっているのですから、早めに自治体にはたらきかけて、その数字を公開させる必要があります。

 まず、介護保険を使って入所する病床は全廃です。それは計算しなくとも、市町村なら市内のどの医療施設に何床あるか、たちどころにわかります。その病床がなくなる。そのことを市民に知らせる。これは直ぐにでもできることです。

 医療保険を使用して入院できる病床は、厚労省の試算表で計算してもらう。自分の市内に現在いくつ病床があるのか。それが何床なくなるのか。計算式を使えば自治体の職員なら簡単に計算できます。これらは秘密情報でもなく、議会の了解も不要です。この2つの数をたしてはじめて、人びとは、自分の身近なところでの病床削減計画を知ることになります。

 もしかすると、いくつかの病院で病床の閉鎖や縮小などの事態が進行しているかもしれません。それらを余すことなく公開してもらう。

6 入院難民が出始めている

 その上で、高齢者の入院問題の現状にもふれる。市中の小規模病院が比較的高齢患者の入院を引き受けてきました。それらのところで、入院必要度の測定結果、「軽い症状」の患者は入院させられない。まだ潜在化していることが多く、大きな社会問題にはなっていない。しかし入院「拒否」に遭遇した高齢者とその家族の苦しみはきわめて大きい。

 その多くは、相談を老人会・町内会等の会長や民生委員にもちこんでいます。これらの人びとのできることは役所の福祉課の窓口に取り次ぐことです。役所の対応は、介護保険施行以後、ケアマネか地域包括支援センターを紹介するぐらいです。解決にはなりません。

 このようなケースが増えた結果、入院難民とも言うべき高齢患者が増え始めています。患者とその家族は在宅での療養を余儀なくされ、大きな不安と困難に見舞われています。

 自治体がそれらの状況に関心を示すことなく、機械的に国の指示で削減計画の策定のみにかかわるのでは、市民の苦難をだれが受け止めてくれるのか。

 自治体にこの問題についての正確な理解と責任ある対応をもとめねばなりません。

7 自治体がやらねばならないこともある

 少なくとも、市民に入院問題が発生したなら、市町村としては相談窓口だけでも設置して、その苦難を受け止め、一緒に考える、病床探しをする。これは最低の義務です。そのことをいまから緊急に申し入れる。

 自治体の管内に、もし公的医療機関があるのなら、そこに、診療報酬では赤字になったとしても、高齢者をうけいれる病床を確保させるべきです。この点についても強く要望する。もし民間病院しかないのなら、一定の補助金をだしても、そこに高齢者が入院できる病棟を確保すべきです。公立病院が率先して入院を拒否しているなら、その改善もせまります。

 軌物愛護法では放浪犬、傷ついた犬は市民の通報で自治体が収容の義務をおっています。人間はそれ以上の扱いをうける権利があります。入院問題だけでも改善させたい。

8 この冬、本気で闘う

 私は、医療部会にお願いして虹のブックレットとして「後期高齢者医療保険制度~そのねらいと改善運動のポイント」を出版してもらいました。類書がないので運動に必要だから急遽書いたのです。定価500円の小冊子です。医療内容について根拠に基づく予測をしています。保険料については情報がたくさんありますが、予測される医療内容について詳細に検討した資料は他にないとおもいます。いまからでも遅くない。この小冊子の普及も運動の一貫として取り組んでほしいとおもいます。

 それにつけても、高齢期運動の組織や活動家には、地域の困りごとが集まらなくなっているのでしょうか。気になります。厳しい地域の人びとの生活に密着した活動報告は見かけなくなっています。町内会や民生委員などには相談件数が激増しているそうです。

 解決の方途が無いから組織の話題にはならないだけなのだろうか。辛気くさい話はそぐわなくなっているのか。気がかりです。いずれにしても、人びとの不安や怒りを組織する。果敢な行動によって事態を切り開く。今の社会情勢はそんな活動を必要としているし、高齢期運動の社会的役割でもある思います。この冬、もう一踏ん張りが必要です。


 療養病床の削減は、たとえ後期高齢者医療制度が「中止」されても、具体化していきます。後期高齢者医療制度とは関係なく、進められているからです。

  自分の住んでいる市町村から、いくつ病床が削減されるか問い合わせましょう

 市町村は、下記のことを都道府県経由で国に報告するよう指示されています。どこでも自分の受け持ち地域から、いくつ高齢者用の病床を減らさねばならないかを、計算済みです。その内容を早急に公開させて、世論に訴えましょう。

(1) 07年10月現在、介護保険で入院できる療養病床が、どこの医療機関にいくつありますか。

 この病床は全廃されることになっています。いつから無くなりますか。

(2) 医療保険で入院できる病床がどこの病院にいくつありますか。

  それをいつまでに、いくつ減らすのですか。

(3) 病床が減ることで高齢者の生活にどんな影響が出るか。検討結果をお知らせください。

(4) 介護施設入所待機者が何人いますか。

(5) 高齢者が入院に困った場合、市町村ではどんな対応をしてくれますか。

  具体的な施策について説明してください。

(6) 各地で老人むけ病床が閉鎖されたり、病院そのものが閉鎖されていきつつあるといわれています。具体的な変化が出ていますか。状況報告をお願いします。


 医療制度「構造改革」と社会保険庁の解体

1 社会保険庁はなぜ解体なのか

 社会保険庁の「解体」問題をとおして、医療制度「構造改革」の問題点について考えます。

 「消えた年金問題を契機に、社会保険庁を舞台に、社会保険を官僚・公務員が食い物にしている。民間に移管して再生を図るべきであるとの与党や民主党の主張が一定の世論の支持を受け、社会保険庁の解体も好意的に受け止められています。それでいいのか。これまでとは別の角度から、医療制度「構造改革」を検討します。

 社会保険庁は1962年(昭和37年)に、厚生省設置法第10条に基づき、厚生省の外局として設置されました。政府管掌の健康保険・船員保険等の医療保険事業や、厚生年金保険、国民年金保険等の年金事業の運営事務等を担当しています。組織は大臣官房・医療保険部・年金保険部からなり、特別施設として社会保険大学校をもち、社会保険庁・社会保険事務所だけではなく、都道府県の各種医療・年金の保険業務にたずさわる職員の研修を実施しています。

 これらの業務を最終的には民間に移管する。それにはどんな意図がこめられているのでしょうか。

2  医療保険実務をまず分離

 06年6月に国会を通過した「健康保険法等の一部を改正する法律」のなかに、保険者の再編・統合に関する法律の一つとして「政府管掌保険の公法人化」があります。これは平成20年4月を期して、健康保険組合以外の被用者を被保険者とする保険については、知事を責任者とする都道府県ごとに設置される公法人に、その運営事務を移すとことをきめた法律です。

 公法人とはいうものの、民営化を意図した非公務員型の法人です。

 医療保険業務は、08年4月を期して社会保険庁の手を離れることになります。社会保険庁解体・民間移管の第一歩が踏み出されようとしています。与党も野党の民主党も、「公務員は働かない」「社会保険庁の堕落が年金問題を発生させている」「その改善には解体しかない」「それも構造改革なのだ」と強調しています。

 事実は、08年4月を期して医療保険業務がまず社会保険庁から切り離される。解体作業は動きだしています。

3 解体の理由は医療費削減のため

 医療保険者の再編は政府管掌保険にとどまりません。国民健康保険は、市町村での運営は維持するものの、財政的には都道府県単位の広域運営に力点が移されます。健康保険組合も同一都道府県内の保険組合統合を目指して、新たな受け皿として企業・業態をこえた地域型健康保険組合の整備をいそいでいます。これらは、新設された政府管掌保険の事務を担当する法人に統合していくことを前提にしての動きでもあります。

 厚労省は「保険財政の規模の適正化、地域の医療費水準に見合った保険料水準の設定のため」であるとともに「保険財政の安定化を図り、医療費適正化に資する保険者機能を強化する」ためであると説明しています。(平成17年「医療制度構造改革の試案の概要」)

 ここでいう医療費とは社会保険給付費、適正化とは削減するという意味です。

 保険財政の規模とは、小規模や過疎地の市町村は保険財政基盤が脆弱だから都道府県単位で財政運営をすると言う意味です。

 地域の医療費水準にみあった保険料水準の設定とは、08年4月以降は、毎年、都道府県単位で患者数・入院日数・社会保険の医療費を特定し、それにみあった保険料の改定をすすめると言う意味です。

 法人の長である知事は、毎年、10%を上限とした保険料引き上げ権を付与されています。

 全国一律に状況把握をしている社会保険庁では、都道府県ごとのきめの細かい医療費管理はできない。解体し、別法人に実務をまかせて、費やされた医療費に見合う保険料徴収を保障するための解体。これが理由の一つです。

4 県民の共同責任から個人責任の明確化へ

 今回の医療制度「構造改革」には、医療費の適正化がすすまない市町村には、「罰金」が課せられる仕組みが埋め込まれています。具体的な事例でその一端を説明します。

 尼崎市が職員教育に作成した「平成20年度以降の医療保険制度」と明記された資料があります。08年4月から、老人保健法に基づく住民の健康診査が、生活習慣病対策に変更され、市町村では衛生部門から国民健康保険に移管されます。国は、国保が実施する健診・保健指導の実施率や内臓脂肪症候群該当者(糖尿病・高血圧症・高脂血症・肥満症の患者)と予備群減少率が低いと、新設される後期高齢者医療制度への国保からの支援金を増加させることにしています。

 とりあえず08年以降、この健診・保健指導実施率を、該当者の33%以上と設定しています。尼崎市の試算では、尼崎市国保被保険者一人あたり年間3万5千円。0歳から74歳までの被保険者数は15万人で、総計1年間の支援金はおよそ54億円。33%をきると60億円。逆にそれを上回ると49億円に減額される。

 何がなんでも市民を督励して健診・保健指導受診者をふやせと叱咤しています。医療費増の償いを当面、市民の全体責任に求める。それはやがて個人責任の追求に具体化されます。

 医療保険者には被保険者の受診・医療費記録が保管されています。個人責任の追求は簡単にできます。ただし、これらのことは全国画一の事務処理機関としての社会保険庁では不可能です。解体の狙いはこの点にもあります。疾病自己責任とは、診断・治療を個人に始末させると言うもので、個人の経済力が、人のいのちを左右することにつながります。

5 実務をおさえて医療を支配する

 社会保険庁の外局に社会保険診療報酬支払い基金があります。国保も都道府県国保連合会が同様の基金を運営しています。名医療保険から委託をうけて、医療機関に診療報酬を支払う業務をになっています。支払う際には、各医療機関から提出された診療報酬請求明細書(レセプト)の審査を行います。この審査や診療報酬そのもので、各医療機関の実施する医療を管理・規制しています。医療のあり方に大きくかかわっています。

 の基金は、国と都道府県が全額出資した特殊法人で、その業務は、国と都道府県から委託される社会保険診療報酬業務に限定されていました。数年前に、規制緩和、官から民への流れに沿って、この基金も改組されました。民間企業に近い形にされ、民間事業も受託可能の組織にされています。

 私的保険にとって社会保険庁の実務は魅力です。医療費適正化の仕組みを入手することは、私的保険では即、利潤増につながります。社会保険庁解体とこの基金の改組を連動させると、もう一つの解体の意味が浮かび上がってきます。

 この10年来、民間の私的保険の疾病や介護の保険が急速にひろがっています。社会保険の改悪ごとに、私的保険の領域が拡大される。いまや、社会保険は基礎的サービスを受け持ち、充分なサービスは私的保険とあわせないと入手しにくくなっています。

 逆に、私的保険が利潤をあげようとするなら、報酬支払い制度を牛耳る必要があります。社会保険の実務を手に入れることが重要になります。

 社会保険庁の解体、そして報酬支払い基金の改組は、実務を民間に移管するための道を切り開くことであり、実務をとおして医療や介護を管理する方途を私的保険が確保することでもあります。

6 米国の野望にも注目を

 「構造改革」の背後の推進者・米国の存在も忘れてはなりません。かねてから米国政府は「対日要望書」を日本につきつけ、医療分野での規制緩和・市場開放を要求し、自由化の遅れを非難していました。医薬品・医療機器の市場は世界第2位、保険市場は第1位。

 しかもこの分野は、社会保障制度・非営利部門として庇護されてきていました。逆に言えば、市場原理優先の米国からすれば、競争力がおとる、営利追求の魅力ある草刈り場でもあります。小泉構造改革路線は、米国のこの意図の具現化路線でもあります。

 テレビに医療や介護の私的保険のコマーシャルが氾濫し、その多くが米国資本であることを考えると、社会保険庁の解体問題を許すわけにはいきません。年金問題に惑わされずに、社会保障制度を守るためにも、医療制度「構造改革」路線に反対していかねばなりません。

以上

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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高齢期運動リポート№55号の①

2007年12月28日(金)

高齢期運動リポート復刊。№55号を掲載します。

 前事務局長の篠崎次男氏による「高齢期運動リポート」が復刊されました。各県高齢者運動連絡会には、12月27日に1部を発送しました。各地の高齢者運動に役立てていただきたいと思います。

高齢期運動リポート NO.55号  2008年1月1日発行

<特集>『当面する高齢期医療制度問題』

(目次)1.2008年・新年のご挨拶

    2.医療制度「構造改革」と高齢者が住み続けられるまちづくり

    3.後期高齢者医療制度の運営と保険料をめぐって

    4.後期高齢者医療と入院問題

    5.医療制度構造改革と社会保険庁の解体

<新年のごあいさつ> 

2008年 明けましておめでとうございます

 2007年度は、高齢期運動リポートをしばらくお休みいたしました。新年を期して復刊します。これまで以上のご愛読をお願いします。

 高齢期運動に関する理論誌兼運動の交流誌がいまだありません。日本高齢期運動連絡会としても、かねてからその必要性が指摘されていました。経済力も発行力もいまだ整備されず、とりあえずの取り組みとして個人作成のリポートとして発行してきています。とはいえ、運動に必用な情勢や具体的な活動の方向性を提示できるものとして、折に触れて日高連の事務局会議等で報告している情勢を軸に、レポー卜を作成してきました。

 復刊後も、当面は個人レポー卜の形で発行することになるでしょうが、体制の準備に入っており、2008年の次期新潟大会までには、正式な日高連の理論・交流誌として発行できるように活動を積み上げていきたいと思います。

 2008年は、これまで以上に高齢期連動の高揚が求められています。その一端をになえるよう努力していきます。

 復刊第1号は、2007年度後半に執筆した論文を中心にまとめました。いつものことですが、予算の関係で都道府県組織に1部しかお送りできません。必用な場合は各団体で増刷などしていただければ幸いです。

 なお、このリポートに関する質問・意見・要望などは、日高連事務局あてお願いします。必ず手紙で返事は書きます。

2008年 正月     篠崎次男

医療制度「構造改革」と高齢者が住み続けられるまちづくり

1 はじめに

 20084月から動きだす生活習慣病対策や後期高齢者医療制度によって、医療制度「構造改革」は本格化します。老人保健法にかわって新設される高齢者医療制度は、高齢者の療養の機会を著しく制限するだけではなく、健康維持.疾病予防についても、国と自治体の責任を曖昧にする最悪の医療改悪です。その中止・凍結を求める世論が急速に拡大していて、後期高齢者医療制度は流動的です。しかし、構造改革は多義にわたっており、高齢者の困窮は急速に深まります。本稿は、政府がすすめる医療制度の「改革」の内容を整理し、高齢者にどのような影響をあたえるのかを検討し、高齢期の安心と安穏をどのように実現していくかについて、地域づくりの視点で整理します。

2 医療制度「構造改革」と高齢者医療

1)国にとってより安価な制度へ

①臨調行革と高齢期医療

 国にとって安価な高齢期医療制度づくりは、1980年から開始された第2臨調をその出発点としています。臨調は、再三にわたって国に社会保障制度の見直しを迫りました。その具体化のための医療政策として厚生省は「今後の医療政策~視点と方向~」を1983年にだし、以後の医療政策の基調としました。

 この政策は、医療費(社会保険給付費)の増加の要因からのみ医療制度の問題点を整理し、医療費削減策に絞り込んでの「今後の医療政策」を提示しました。医療費増嵩の主要な要因として、疾病の変化(感染症から慢性疾患への転換)と人口の高齢化をあげました。慢性疾患は悪しき生活習慣の積み上げの結果と断定し、疾病に対しても健康維持においてもその基本は自己責任としました。社会保障給付は、国のきめた標準サービスに限定し、かつ、社会保険制度の老若の「世代間不公平」の是正、効率的な医療体制づくりを重視しました。社会保障を「個人の自助を前提としつつ、国民による相互扶助を組職化して社会の安定を図るもの」であるという、憲法25条を否定する視点をも打ちだしました。

1983年は老人医療費無料制度が廃止され、高齢者の社会保険給付費を国民から調達する仕組みや老人医療制度に「標準サービスの概念」を盛り込んだ老人保健法をスタートさせました。以後、高齢者の制度改悪を積み上げてきました。

②介護保険制度の創設

 介護保険は、「第一義的には、社会保障構造改革の基盤整備」のために創設され、社会保険でも医療にはない特徴が付加されました。サービスは国の基準できめた標準に限定。給付は「現金」給付。保険のサービスと保険の効かないサービスが同時に実施できる「混合型社会保険」などです。標準サービスを低く抑えることで、保険の効かないサービスを購入させる。国にとって安上がりな制度は、社会保障の市場化とセットで追求されました。

2)介護保険5年目の見直し

 介護保険の創設は、医療従事者の人件費よりはるかに低い福祉への高齢者の療養生活の転換でした。この低コスト化政策は、介護保険5年目の見直しでは露骨になります。施設入所より安価な在宅への誘導策の具体化です。入所者の食事と病室に係わる給付を除外し在宅化をすすめました。しかも、介護軽度者は予防重視の名のもとに、ヘルパーの生活支援サービスや福祉器具の貸出などが大幅に削減されました。安上がり政策は、医療から福祉へ。施設から在宅へと高齢者の療養の揚を移していく。この流れは.より安価な制度としての後期高齢者医療制度のもとで、後期高齢者の入院制限、23万床の病床削減で年間5兆円もの医療費削減策として定着することになります。

3        後期高齢者医療制度の創設と高齢者の生活と健康

1)高齢者の生活

 これらの医療政策のもとで高齢者は耐えられるのか。この点を検討するため、高齢者の生活の実態を概観しておきます。

①「単独」・「夫婦のみ」の世帯増

 2005年の「国民生活基礎調査」(以下「A」と記す)では、65歳以上の高齢者のいる世帯は全世帯の4割を越えました。そのうち「単独」(22%)、「夫婦のみ」(29.2%)で51.2%に達しています。彼らの別居しているこども達とは月12回以下の連絡が53.2%、年に数回が15.7%ときわめて薄い関係です。

②淡い近隣の関係

 「孤独」で心配事がある人は63%。そのうち相談相手がいない人が30.7%にのぼっています。(H18年「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する調査」(以下「B」と記す)近所付き合いでも付き合いのない人と挨拶する程度・立ち話程度あわせて、「孤独」で66.6%、「夫婦のみ」で83.4%にのぼっています。(「B」)

③経済生活

 高齢世帯の経済生活では、大変苦しいが20.9%、やや苦しいが33.8%。普通が40.1%。(「A」)「普通」が4割います。これは、身分相応のつましい生活を懸命に維持しているとの回答と理解すべきで、高齢世帯は厳しい状況に置かれています。「B」によると、生活費の不足分は、生活費のきりつめが65.5%。貯金を取り崩すが55.3%です。

 「A」によると、高齢世帯の年収の平均は296.1万円。そのうち稼働所得が60.4万円あり、65歳でほぼ就労は打ち切り。通常の年金生活者は、多くて200万円前後での生活を余儀なくされています。年間収入100万円未満が17.4%。200万円未満が26%。各種の税と社会保険料、医療と介護の一部負担を差し引くと、生活費は大幅に減少します。

 「B」によると、出費で負担を感じている項目の1位は医療費で46%。2位が生命保険・損害保険料で25.5%。3位が食費で24.2%となっています。昨今の連続しての医療改悪の影響は明確で、これ以上のいかなる負担も耐えられる状況ではありません。

④健康

 「A」によると、65歳以上の高齢者千人の内、病気や怪我で自覚症状を訴える者は493.1人。日常生活に影響のある者、入院者を除いて246.1人もいます。以前は有病率・受診率として公表されていました。それでいくと、高齢者千人のうち半数が病気をもっており、そのうち半数しか医療を受けていないとも理解されます。「B」によると、60歳以上の高齢者のうち病気がちで寝込むことがあるが29.9%、健康であるとはいえないが、病気でもないが64.4%もいます。医療と介護は高齢者にとっては生活していく上で最大の関心事といえます。

⑤介護

 厚労省「介護保険事業状況報告」(以下「C」と記す)によると、65歳以上の高齢者の16.6%に及ぶ417.5万人が介護保険からのサービスを受けています。内閣府「介護に関する世論調査・H15年」(以下「D」と記す)では、在宅療養で介護を必要としている高齢者の介護にあたっている人の57%が配偶者であり、あとは息子が5.6%、娘が19.3%です。夫が介護を受ける場合では、78.3が妻、息子か4.4%、娘が4.9%で妻が多くなっています。その逆は41.5%。家族介護者のうち60歳以上が55.9%にのぼっており、妻が中心の老老介護が大勢を占めています。

 家族が小さくなる。近隣関係も希薄になる。しかし家族介護が大半を占めている。しかも多くの高齢者が経済的に切り詰めた生活を余儀なくされています。多くの高齢者が医療の機会から遠ざけられてもいます。こうした高齢者の身心と生活の特性にあった後期高齢者医療制度となるのか、この新制度について検証することとします。

2)後期高齢者医療制度

①保険料

 厚労省が先に示した保険料モデルでは、平均の保険料の額は、年収200万円ほどでは月額6200円(他に事務費)とされていました。また厚労省老人医療・国保課(部)長・広域連合事務局長会議(078月)では、国保と「後期医療」では差異があるが、国保世帯が「後期医療」に移行した場合として①単身世帯なら国保保険料額を越えず、夫婦世帯でも年金収入が153万円以下であれば、夫の収入がどんなにあっても国保保険料の額を越えない。三世帯同居世帯でも、高齢者の年金収入が200万円程度である場合は、世帯収入が一千万円前後までは国保保険料を越えないと説明されています。

 9月に入り一部の府県をのぞく広域連合の議会が開かれ、保険料率の試案が示され、各地で、市区町村ごとの試算値がだされ、その多くが国の説明を大幅に上まわっています。介護と医療の保険料だけで月1万円を越える世帯が多くうまれる。日常生活が圧迫されかねません。年金からの天引き、自主納金になる無年金者、年額15万円以下の低年金者の滞納を危惧して保険証の取り上げまできめています。実効性ある減免規定の策定等、保険料問題は日ごとに大きくなってきています。

②給付される医療内容

 医療内容は、中央社会保険医療協議会(中医協)での診療報酬制度の制定にゆだねられ、いまだ一切の説明は国民にも被保険者にもなされていません。中医協での討議状況や、06年に実施された診療報酬制度から推察することとします。

 第1の問題は、入院がきわめて難しくなるという問題です。066月に参議院を通過した法律の中には、平成244月までに、高齢者が一定期間入院できる病床を23万床削減するという法律があります。その具体化のために、067月には、高齢者の入院を制限する診療報酬の仕組みが導入されています。医療機関では、入院させようとする高齢患者を、厚労省策定の基準に従い入院高齢患者を3つの「医療区分」に分類することが義務づけられました。喀痰吸引を必要とする患者の場合17回までは「区分1」、8回以上が「区分2」となります。経管栄養が必要とされる患者は、発熱や嘔吐がない限り「1」とされます。「1」とされると医療機関がうけとる入院医学管理料が1日約4500円ほど減額され、「医療区分1」の患者を入院させると赤字になります。大都市の都心部と農山漁村の人口過疎地域から、入院拒否・退院勧告(社会的退院)がひろがりつつあり、高齢者むけの病床を廃止する医療機関もではじめています。

 厚労省は、「医療区分1」の患者は入院中の高齢患者の52%ほどが該当するとしています。「後期医療」では、「医療区分1」は入院の対象からは外されることになるでしょう。病状が悪化しているごく短い期間の入院(間歇的入院)に限定されるかもしれません。

 第2に、064月から開始された看取り医療への診療報酬が「包括的」なものにされていることです。病院などから退院した高齢患者に対して、その最後を往診などで看取る。その場合、診療を担当してから期間を問わず看取るまで、定額の報酬しか払われません。おそらく「後期医療」でも、外来などに導入され、1日数千円の定額医療費の範囲内での診療という形になるでしょう。その場合、月の受診回数も制限されます。高齢者は病状が変化しない。診察や検査、治療方針の見直しなど、きめ細かくする必要はない。従って診療報酬は「定額・包括」払いでいいとするものです。

 その他、主治医制と患者の登録制も導入されるやもしれません。保険料については説明し、提供するサービスについてはロをつぐむ。厚労省は非常識な態度をとり続けています。高齢者にとっては、不安と我慢の多い医療制度になるように思います。介護保険施行以来、生活や福祉・医療相談を受け付ける自治体の窓口はなくなりました。住民が相談のために庁舎を訪れると、多くの場合介護保険でのケアマネージャーとか包括支援センターに振り向けられます。結果として行き場がない入院難民が出現することが心配です。

 「後期医療」が中止されても、診療報酬制度の改定でこれらの医療は拡大します。

③各種保健事業の削減

20084月をもって、老人保健法による保健事業は大きく削減されます。1998年度以降ガン健診や健康教育への国庫補助はゼロになりました。それを契機に自治体の保健サービスは年ごとに縮小していきました。084月からは、自治体の住民健診は、糖尿病等の患者を対象とした生活習慣病対策に転換し、国保など医療保険に移管されます。

 市区町村では、住民への保健事業の大半は、独自予算で実施することになり、やがては消滅していきかねない状況下にあります。そのほかにも、福祉課の予算での転倒予防事業とか、地域支えあい事業、その他年活活動のサークルや各種の学習講座など、福祉と保健分野の多様な事業の見直しがすすめられています。これらの施策で、社会とのつながりをもちえてきた高齢者は、一層の狐立化を余儀なくされるでしょう。高齢世帯の介護力・日常生活力の貧困化は年ごとに深刻になっています。差額医療費をだして入院するような経済的な余裕のある世帯も一部に限定されています。地域で生活する高齢者・高齢世帯の安心と安全は、「後期医療」の如何にかかわらず厳しい収況に置かれつつあります。

4 いつまでも住み続けるために

 「後期医療」との闘いは、制度の「凍結」実現にむけた闘いと同時に、高齢者が地域で住み続けられる保障づくりにむけた具体的な行動づくりが求められています。

1)政府の地域政策と具体化

①地域再生のねらい

平成165月に、内閣府に設置された地域再生本部は「今後の地域再生の推進にあたっての方向と戦略」(以下「戦略」)を出しました。経済の高度成長は、人口の過疎地域と過密地域を生みだしました。核家族と言われる老若に分離された小さな家庭を定着させました。近隣の人間関係を希薄にしてきました。家族の育児力・保健力、地域社会の福祉力などが貧困化していきました。社会保障制度の相次ぐ後退とともに、地域社会と家族の変貌は、高齢者が住みなれた地域でいつまでも住み続けることを困難にしています。

 その克服をめざすものとはいえ、この「戦略」は、「構造改革」路線の地域版です。「国から地方へ」「官から民へ」の地方自治体の「三位一体の改革」と一体化したまちづくり策です。「地域の地力全開戦略」を強調し、民間の知力・財力・労力を発揮させ、政府の「補助金改革と整合性のある持続可能な地域の再生」を目指しています。

 地域社会では、こどもの安全や教育・学校等をめぐる問題、高齢者の生活問題などが頻発しています。「戦略」はこうした問題に対する地域住民の「自主的な取り組み」から具体化をはじめています。民間交番、青いパトカー等が、小学校の登下校時の見守り活動などのひろがりとともに、違和感なく拡大されています。地方では、火災時の消火活動に際しての消防団活動が不可欠になってもいます。高齢者へのボランティア活動も、自治体の施策の補完作用としてしっかり組み込まれてきています。防犯、防火、子育て・高齢者生活の支援など、行政の施策と住民の自主的な取り組みの「協同」が不可欠な分野から「戦略」の具体化がはじまり、多くの場合、行政の責任を曖昧にし、地域の「草の根保守層」を活性化させつつすすめられており、単なる批判だけでは済まされない状況です。

②市町村の新しい試みも

 他方で、自治体のまちづくり活動にも一定の変化が生まれつつあります。ここでいうまちづくりとは、人びとの連帯を基礎にした生活づくりのことです。農山村部では、昭和の自治体合併以前の村・大字単位での住区割りが残っています。都市部では小中学校の校区、あるいはいくつかの町内会をまとめた区域での住区があります。単なる行政の連絡組織から、まちづくりに役立つ住区づくりへの試みです。

 多くの場合、住区には公民館など公共施設があります。そこをベースに、住民の自主的なまちづくり活動を拡大強化する試みです。公民館の生涯学習活動のリーダー、保健センターの栄養改善普及員、健康づくりリーダー、福祉の子育て支援リーダー、各種のボランティア活動のリーダー、消費者センターでの消費者活動のリーダーなど、縦割り行政がそれぞれに把握している住民の各種のリーダーを、住区ごとに再登録し、住区ごとに福祉や健康その他の生活活動を、地域に密着した活動に発展させる試みです。

 これまで健康増進課とか地域社会福祉協議会、福祉課などで別個に育成し、それぞれが自主サークルを組織し、諸活動の展開をしてきています。それを、地域とそこでの生活に根付いた活動に発展させるための試みです。すすみはじめた地域では、それなりにひとびとの暮らしの協同に活かされ始めています。この方向は、住民の自主的なまちつくりの萌芽として重視したいと思います。

2) 高齢者の生活要求の特徴とまちづくり

 高齢者が、住みなれた地域でいつまでも住み続けるためには、高齢者の生活要求に叶ったまちづくりの推進が不可欠です。一つは社会保障制度の充実。二つには生活要求にかなったくらしの協同づくりの推進で、この点につき若干の検討をします。

①生活要求の特徴

 高齢者の日常生活からうまれる生活要求の特徴は、夜中でも早朝でも発生する時間不定性、それへの対応は「いますぐ」の対応を必要とする緊急性。それでいて福祉や医療の専門家の力を必要とするものはごくわずか。高齢者の近くの者が少し手を貸すだけで解決する日常性などがあります。これらの要求は、社会保障制度が充実しても、医療や福祉の事業所のサービスが行き届いても解決しがたいものばかりで、核家族化での問題です。家族や近隣社会の助け合いが不可欠です。役所や銀行などの手続きは、すぐ済ませたい。物忘れが怖いから。だが、印鑑をおしたりする届け出は慎重を期したい。信頼できる者の早急なる対応が必要です。水道のパッキング緩む。水滴の音が睡眠を妨げる。不眠で血圧が心配。夜中でも要求は発生する。一晩での解決を望む。わがままでも何でもない。家族にかわる・隣人の手助けは不可欠です。医療や福祉の充実のほかに、仲間づくり・ひとびとの連帯は不可欠です。この暮らしの連帯をどのように構築していくかが問われています。

②住民団体の地域組織

 改めててわたしたちの身の回りを見渡すと、さまざまな住民団体が活動しています。地域社会に第一線組繊をもつ団体かたくさんあります。医療生協・生協(班等の生みの親)や生健会などは「班」。新婦人では「小組」。民商や全建総連(特に主婦の会)・年金者組合などでは「支部」などがあり、地域活動を重視しています。

 これら班などの地域組繊は、日常生活圏でそれぞれの団体の目的実現のための活動を展開していますが・同時に、必然的に仲間うちの協同・助け合い活動がうまれています。同じ団体に集う仲間としての信頼に基づき、個人のプライバシーや価値観の相違を軽視した押しつけがましい近隣関係を克服し、まさに必要に応じた民主的な人間関係のもとでのくらしの協同、「社会的な三世代家族同居機能」とでもいうべき、新しい生活機能を発揮しています。この機能こそ、核家族社会近隣の人間関係の希薄化を補う社会的機能です。町内会や老人会の活動を補完する、大きな輪になればそれを凌駕する機能です。

 自治体の校区とか住区とかの新しい動向なども視野に、住区ごとに、各種の住民団体の支部とか班とかが、日常生活圏内で協同をもとにこの新しい機能を地域社会に根付かせる必要があります。特に高齢者と子育て問題についての協同・支援活動は、各団体共通の課題でもあり、自治体等への働きかけなどでも日頃の生活実践を行政の施策にいかす形での内容に高めていけば、新しい展望も生まれると思います。これは地域が必要とする機能でもあり各団体の仲間ふやしの前進にもつながる。このような取り組みの中での仲間ふやしは、単にその団体の組織拡大に止まらず、まちづくりへの貢献という社会的価値をもったものにもなる筈です。この点での各団体間の協同の創造が待たれています。

3)提案型の自治体連動を

 政府がすすめる「戦略」のもとでの自治体への働きかけは、要求の積み上げから提案・参加型への転換を求められています。これは実践活動に裏打ちしたものでないと説得力をもちえません。新しい生活協同機能はそのためにも豊かにしていく必要があります。

 医療や介護制度の見直しにあたって政府は、健康づくり・予防重視を持ち出してきています。寝たきりや生活習慣病の克服には住民の自主的な生活改善運動が不可欠だからです。健康診断の量的拡大だけを求めるこれまでの自治体活動に変わり、生活習慣の自己変革を伴う、地域まるごと健康にしていこうとする医療生協の保健活動と、それに基づく市町村の保健事業の見直し提案活動は、他の団体にも普及させたい活動です。

 東京の世田谷区では、デイサービス事業の拡大を、市民の地域での支えあい活動を基礎としてひろげています。高齢者のたまり場づくりを、住民参加型に転換させる。新婦人の「小組」や、NPOなどのまちづくり団体の支部を、デイサービスの場として認定する。

この高齢者の安心を高めている活動は、市町村の福祉行政の改革に役立つ試みです。和歌山県の橋本市でも同様な取り組みが開始されています。

 京都の城陽市や東京の足立区等は、保健センターの保健師と、住区の住民活動家とが一体となっての健康づくり活動をすすめています。岡山では、子育てグループを住区ごとにきめ細かく配置し、その住民運動を支援する形で市の保健師が母子保健活動を展開しています。これらの活動は、市町村のリストラが進む中で、住民が主体性を発揮することで、少ない体制と予算のもとで効果的な保健活動を生みだしています。     

 5 おわりに

 各地を子細に点検すると、まやかしの「協働」でない、住民の自主的な実践を基礎にし、市町村の行政が協同することで、成果をあげつつある事例をたくさん発見できます。

 社会保障制度の拡充を願う運動と、地域でのまちづくり運動の多様な展開。このニ本脚活動が切に求められています。それがいつまでも高齢者や子育て親子が街中で住み続けるための保障づくりでもあります。                 (『議会と自治体』誌・200712月号掲載)

以上。

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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財務省への予算要求行動

2007年12月21日(金)

08年度予算編成に関わる財務省前行動が行なわれました

Photo_2  11時30分に財務省前に着くと、すでに教育関係者の予算要求・座込み行動がされていました。全国各地から教員、教組、母親などが次々に宣伝カーに登りマイクを取って、財務省に対しての訴えが続きます。学費未納で修学旅行にいけなかった高校生、働けど働けど忙しくて、学費納入が間に合わなかったとの訴え。未来を作る子どもたちの笑顔が輝くように、教育予算をきちんと増やせとの訴えが響きます。

Photo_3  12時20分になり、教育関係者の集会はいったん休会し、全労連・中央社保協・全生連3者共催の「08年予算編成に関わる財務省前集会にバトンタッチされました。全労連の開会あいさつの後、前日に行なわれた「国民運動予算要求の財務相交渉の模様」が全生連辻事務局長から報告がありました。

 この中で、生活保護基準の引き下げ見直しを08年度は断念させたが、これは全国の国民世論と運動が国の政治を動かしたもので、国民の成果である。しかし、母子加算の削減2年目は実行されるなど問題もあり、引き続き母子加算の復活や老齢加算を元に戻させ、生活保護基準を切り下げさせない運動が大事である。また、国は疑惑噴出の防衛省の予算は大盤振る舞いをしているのに、社会保障費の毎年度2200億円の削減など、国民生活をよくするために金を使えとの訴えに、参加者は強く決意の拍手でこたえ、財務省に向かって予算拡充を求めました。

Photo_4  3者の共同行動が終了した後、今度は年金者組合の皆さんが最低保障年金の確立などを求めて財務省前集会を開催。集会後は財務省担当者に参加者一人一人が要求書や請願書を手交しました。

 本当に、私たち国民は黙っていては生活は守れません。一人一人が声を出し、手をつなぎ、国に対して自治体に対してきちんと要求していくことが今最も大事なことだと感じました。

Photo_5  全国の高齢者のみなさん。力をあわせて「後期高齢者医療制度の中止・撤回」を求めて、これからの運動を広げて行きましょう。

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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全国災対連第9回総会

2007年12月19日(水)

災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会の第9回総会が開かれました。

 1Photo2月19日(水)午後2時から、東京都豊島区の東京労働会館ホールにおいて20団体35人の出席により、全国災対連第9回総会が開催されました。

 今年も3月に能登半島地震、7月に中越沖地震が発生し、全国災対連は被災者の救援・支援活動に全力で取り組みました。参議院選挙の結果は政治局面を大きく変え、内閣府は「被災者生活再建支援制度のに関する検討会」を立ち上げました。この動向に合わせて、全国災対連は数次にわたる内閣府交渉と全政党への要請行動を組み合わせた運動を展開しました。この中で、10月27日に全国交流集会を開催し、運動を大きく盛り上げました。11月9日の衆議院本会議において全会一致で「被災者生活再建支援法」の改正案が成立しました。長年の被災者の願いであった被災住宅本体への支援を可能とする画期的なものとなりました。

Photo_2  阪神淡路大震災から13年、被災者の方々の並々ならぬご努力、全国各地での災害被災者の粘り強いたたかい、全国災対連をはじめ各地の支援活動が国会議員の心をも動かし、全会一致での改正案の可決となりました。

 改正「支援法」は阪神淡路大震災や中越地震などは対象外となるなど、課題もあり、全国災対連は今後もその改善を求めての運動強化と継続をしていくことが話し合われました。

 被災者の皆さん、本当にお疲れ様でした。私も改善実現を目指して頑張っていこうと決意しました。一緒に引き続き頑張りましょう。

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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高齢者座り込み行動

2007年12月17日(月)

「高齢者予算要求」の厚労省前座り込み行動始まる

Photo_3  全国老後保障地域団体連絡会は、12月17日(月)から厚生労働省前にて「平成20年度高齢者予算要求書」を厚労省に提出し、7年連続となる座り込み行動を開始しました。期間は12月20日(水)まで。香川県から夜行列車で駆け付けた池田展江さん(89歳)をはじめ、千葉の柏木さん、東京の後藤さん、駒木根さん、坂本さん、菅原さんも参加。寒さ厳しい夜も厚労省前にて座り込みを続けています。

Photo_2  ①後期高齢者医療制度は中止撤回してください。保険証をとりあげ、後期高齢者だけに適用する別建て診療報酬導入は人権侵害です。②疾病治療は「早期発見・早期治療」が常識です。③国民健康保険料・税の減免制度を拡充し、保険料滞納による保険証とりあげをやめてください。など、15項目の要求書を提出しました。

Photo  山田も、新潟の会議後に座り込み行動に少しの時間参加しました。いろんなお話を聞かせていただき、たくさんの元気をいただきました。行動参加のみなさん、風邪などひかないように元気で座り込みを続けてください。応援します。

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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広島県高齢者大会

2007年12月15日(土)

第21回広島県高齢者大会が開催されました

  広島県Photo生涯学習センターを会場に150人が参加して第21回広島県高齢者大会が開催されました。大会は、「冬景色。ときめく時間の中で。かけがえのない人生を。」のうたごえで始まりました。

 高野栄美(こうのしげみ)会長は、「アメリカの話でなく、日本で銃の乱射事件が起きた。12月1日に1万1千人が集まって、岩国基地を包囲する集会が開かれた。参加者全員が『怒』の紙を掲げて包囲した。戦中、戦後と苦難の時代を歩いてきた私たち、今平成の姥捨て山である後期高齢者医療制度に怒りをもって政府にぶつけよう」と力強く開会あいさつ。Photo_2 

  Photo_3藤本聡志氏の来賓あいさつの後、川后宏(せんこうひろし)事務局長が基調報告。「参議院選挙で与野党の力関係が逆転し、これまでにない政治の動きが広まっている。広島でもトンネルなど住民の声を反映する姿勢に変化してきているが、私たちがしっかりと意見を表明することが必要だ。」と。

 「後期高齢者医療制度の中止・撤回をもとめて」をテーマに、山田が学習講演を担当しました。学習したことで満足しないで、しっかりと行政に、広域連合に、国に対して行動を起こそうと意思統一しました。

 Photo_4 昼食休憩にはフラダンスサークルのすてきな踊りが披露され、午後は5つの分科会に分かれてそれぞれ学習と経験交流が熱心に話し合われました。

 広島の皆さん、パワー溢れる県高齢者大会に呼んでいただき、私はまたまた元気をいただきました。後期高齢者医療制度の中止撤回を最後まであきらめることなく、一緒に取り組んでいきましょう。

Photo_5 日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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12月6日、中央実行委員会開催

2007年12月6日

中央実行委員会を開催

12月6日(木)東京都生協連会館にて第21回大会中央実行委員会が開催され、横浜大会のまとめを行いました。その後、第22回大会中央実行委員会の結成総会を行いました。

横浜大会のまとめをして、第21回大会中央実行委員会を解散

1.21回大会の成果

  参加者は約5000人と参加予定規模をほぼ達成した。

  情勢に見合った大会運営となり、「高齢者の怒り」の結集になった。

 20066月に成立した医療制度改革関連法が次第に具体化されてきている。とりわけ後期高齢者医療制度の具体化が各地で準備されてきた。保険料の問題、短期保険証や資格証明書などの制裁の問題、包括的医療の問題など、高齢者はかつてなく厳しい医療制度荷直面している中での開催であった。

 こうした中で、中央実行委員会は篠崎次男ブックレット「後期高齢者医療制度」を作成し、全国的な学習と活動交流に力を入れた。また、大会では学習講座や分科会でも高齢者医療の問題を取り上げた企画を設け、後期高齢者医療制度の問題を指摘し、高齢者の医療と命とくらしを守るための問題意識を深めた。この取り組みの中で後期高齢者医療制度の中止撤回を求めることが現在での高齢者運動の共通認識となり、大会で「中止・撤回」を求める特別決議になった。

 これを契機に運動は全国に波及し、各県高齢者大会や各地域での学習会が旺盛に取り組まれ、後期高齢者医療広域連合への要請や自治体要請も活発となり、各地で政府への意見書を採択するなど、大きな運動に発展している。

 一斉地方選挙や参議院選挙でもこの国民の不安と要求は大きくなり、とりわけ参議院選挙では自民党は議席を大幅に後退させるなど、自公政権は大打撃を受けた。この中で安部首相は憲政史上初めて政権を放り出す汚点を残した。しかし自公政権は、これらの反省なく同派閥からの総裁を選出した。政権担当能力はすでに地に落ちたといわざるを得ない状況といえる。その福田氏は総裁選挙の公約に後期高齢者医療制度の凍結を言い出し政権を引き継いだ。だが公約実行には財政の裏付けがなく、2008年度開始事業にもかかわらず2007年度補正予算を充てるなどの矛盾にいきあたっている。これらを見るに後期高齢者医療制度ははやり中止撤回を求める以外にない。さらに強力な全国運動が必要である。

 全体会での中央実行委員長のあいさつは参加者の心に響き、だいなださんの「老人の怒りを今大きな力に」と話された記念講演は多くの参加者の気持ちを鼓舞した。各地の活動報告も教訓的であった。中でも神奈川土建青年部のパフォーマンス豊かな発表は参加者に元気を与えた。トランペットと詩の朗読は感動を深めた。

 分科会は、情勢に見合った分科会の取り組みは参加者の学習意欲を刺激し、学びと楽しみの企画となった。

 移動分科会は、米軍横須賀基地見学は日米安保条約を今なおまざまざと示した。参加者は平和の大切さ、憲法9条を守ることの大事さを一層強くした。

  大会財政は、節約を第一に貫き、予算をさらに厳しく節約する大会運営で、赤字を作らなかった。

  大会運営は、神奈川実行委員会との共催形式で運営した。移動案内をふくめ、しっかりとした会場設営、会場案内などは参加者から大変喜ばれ、迷子や病人を出さないことにつながり、素晴らしい現地運営であった。

2.21回大会運営の課題

  開催日時は連休(敬老の日)にぶつかった問題。

 これは会場がこの日しか開いていなかったためである。しかし、敬老の日はそれぞれ地元で敬老イベントなどがあり、それに参加できないことは問題であるとの批判があった。

  会場(企画内容の関係での会場準備)

 後期高齢者医療制度など医療問題の会場規模情勢に見合う内容で成果が大きかったが、参加者数の事前把握や会場規模の設定に見込み違いがあった。これらの分科会では学習資料は当然不足し、参加者から厳しい批判がされた。

 移動分科会の定員変更事前予告に沿った準備が不足し途中で参加定員を半分に絞ったことから、厳しい批判をいただいた。

  次期大会開催地の未決定・次期開催地を大会当日まで決めることができなかった。

  売店は神奈川県実行委員会が全面的に対応してくれたが、一部業者に大会運営姿勢について無理解があり、トラブルが発生した。現地担当事務局の努力によって一応平静さを保つことはできたものの、モラルに欠ける業者は今後は出店規制をしなければならない。

第22回大会中央実行委員会を発足

第22回日本高齢者大会の中央実行委員会を発足した。

第22回大会は、下記の日程と会場で開催することを確認した。

①日時:2008年9月8日(月)~9日(火)

②会場:朱鷺メッセ(新潟市)

③中央実行委員長には須山利夫氏(全国生活と健康を守る会連合会副会長)とすることを確認した。

全国のみなさん、第22回日本高齢者大会を新潟で開催します。現地では今後準備を重ねて、新潟県実行委員会を発足していくこととなります。どうぞ、全国の皆さんの激励とご援助をお願いします。

日本高齢者運動連絡会 事務局長  山田栄作

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